北海道で活躍した車両です.
筆者が小さい頃からよく見ていた保存蒸機です.
主な加工
・煙室扉の新製
・ボイラー手摺の自作
・ドームの設置
・煙突の自作
・キャブ周りモールドの自作
・炭水車の台車モールド再設置
・炭水車の前面リアル化
プラレールの改造を始めたころからこの車両を作ってみたかたのですが,D51をベースにするとボイラーの形状が異なることがネックとなります.
というのもD51は途中で太さが変わるのに対し,D51はそのまま太いままです.
似た形状(というかD52の改造車)のC62を使用するのが最適かと思いますが,製品のC62は大変レアなのでそうもいきません.
悩むことしばらく,偶然立ち寄った中古屋である車両を見つけます.
トーマスのヒロです.D51がソドー島に送られたという設定なので細かい箇所はD51 200に準じています.
ボイラー形状はD52と似ていて,寸法もD51 200とそう変わらないためこれを種車としても大きな矛盾は生じないと判断しました.
早速着手します.
煙室扉部分の再現から入ります.
顔を撤去し,0.3mmプラ板でベースを作り,D51 200から複製した煙室扉を貼り付け.
ここへさらに複製したハンドルや,手摺を追加します.
ボイラー上部はそのまま使えないため,元あったドームを撤去します.
安全弁は再利用するため保管します.
(キャブの雨樋をこの段階で設置しています)
ドームはプラ板で土台を作ったあと,D51の物を複製したものを載せます.
砂巻き管と手摺を新設します.先ほど切り離した安全弁を再設置します.
手摺は真鍮棒を使用します.継ぎ目の部分はコピー用紙を巻き付けて瞬間接着剤で硬化させて再現.
キャブ周りは下方向へ1mm延長した上で,元あったモールドを撤去し,プラ板や真鍮材でリアル化します.
ATS発電機もこだわっています.
煙突も当然元の物は使えないので新製.
205系の中間車の連結器押さえパーツを切り取ってきてコピー用紙を巻き付けて淵の部分を再現.
本体の加工が終了した様子です.
面影が無くなったと思います.
炭水車前面はモールドを追加してリアル化.
電装も行えるようにします.写真がありませんが,キャブの旋回窓や炭水車の台車モールドを表現し,塗装に入ります.
竣工後の様子.
炭水車のライトは両方点灯可能です.
旋回窓は丸モールドを複数組み合わせて再現.
前部のライトは元あったものをくり抜いて枠だけにした後,LEDを直接嵌め込んで使用しています.製品のD51は麦球の光をプリズムで導光しているので光量が不足気味ですがこちらは直接光らせているので光量は圧倒的です.
D52の特徴でもある斜め警笛もしっかり再現.
小さい頃から作りたいと思っていた車両なので,気が付けば物凄く力を入れていました(笑)
この後の蒸気機関車大量配備の礎となり私の改造車史でも非常に意義がありました.
地味にLEDでの電装はこの車両が初めてで,ノウハウを作ることができたのも大きいです.
竣工日:2017/06/06
ちなみに,この車両は"D52 235"と名乗っていますが,実は"D52 138"である可能性が高いです.というのも,車両各部の刻印の車号が根拠となっています.
"235"の"2"と"5"が不自然に彫り直した跡があります.
また,明確に138のままの部分があったり,場所によってはD51の車号もあるなど意味深です.
昔作った年表ですが,138号機は引退後の動向が不明で,235号機はD52の中でもかなり後期まで現役(雑誌でもよく写ってます)だったため,138号機は部品取りとして使われていた可能性があります.
保存会の話では,相模原市は当初C62の貸与を希望していたようですが,既に大半が解体済みで,国鉄から提示されたのがD52だったようです(C62を希望したのは銀河鉄道999の影響でしょうw)
国鉄は235号機を貸与することで交渉を進めましたが,北海道の当局が誤って解体してしまい,保管していた138号機をすり替えて送ってきたというのが実態の模様です.
一番の証拠として,本来の235号機は密閉キャブですが,現車は開放キャブです.
これが動かぬ証拠であり,この機体は長年車号を偽っていることになります.
しかし,この地に来て既に46年が経過し,"235号機"である方が長くなっています.
今更過去を掘り下げるのも野暮かもしれません.