日本各地で活躍した急行型気動車です。
種車:フルスクラッチのため無し
主な加工
・車体の設計
・前面の3D設計、出力
・側面パーツの製作

最初に2DCADにてドアや窓などの基本配置を検討していきます。
その後、台車を収めるための固定具の配置や車体強度を担保するための部材配置などを検討していきます。
基本的な配置が固まったら、次はカッティングマシンに通すためのデータ作りに移ります。

計画図面からアレコレコピーしてきて加工図と呼ばれるデータを用意します。
側面と妻板は0.3mmプラ板の3枚重ね、0.9mmで計画し強度が求められる屋根部は1.0mm+0.3mmの計1.3mmで計画しました。
フルスクラッチ車で側板0.9mm厚はかなり薄い方ですが、新メカ動力車の場合はこれくらいの厚さでも十分です。
また、カッティングマシンでケガいた後にカッターで切り出す作業が必要となりますが、0.3mmプラ板の方が作業性が高いメリットがあることや部材の統一化を図る目的がありこのような選択をしています。

加工データをカッティングマシンに通し、処理を行った状態の側面板です。

さらにこれらを貼り合わせた後の様子です。
この後裾部を折り曲げて絞りの付いた形状を再現していきます。
続いて前面の設計を行います。



計画図面を3DCADに取り込み、全体的なバランスを見ながら設計していきます。

裏面には新メカ台車固定用のナット受けを追加したり、先ほどの側面板を接着するための突起を追加したりします。この辺もいかに強度を維持するかを念頭に入れて設計していきました。

ここまで来たら実際に3Dプリンターにて出力してみます。
いざ現物になると、見た目上の違和感などが見つかるためさらに微調整等を繰り返していきます。一番左の物が最初に出力したもので、窓周りのバランスがイマイチな他、印刷時の不良で歪みなどが見つかっています。中央の物は修正後ですが、さらに改正を加えて一番右の物で取り合えず落ち着きました。(下の物はパノラミックウィンドウを試作してみた感じです)

納得のいく前面ができたので、側面パーツや妻板と接合します。

妻板です。電装化用のスイッチ取り付け穴も右面に設置しています。

屋根肩部は1/4丸プラ棒を使用し、それらの間に梁材を渡していきます。

梁材の上に被せるように屋根板を載せます。
屋根板にはあらかじめクーラーやベンチレーターを取り付けるための穴を開けており、部品設置時の位置合わせの容易化を図っています。

テスト出力した屋根パーツを仮載せ。水タンクは色々な種類がありますが、とりあえず原型タイプをモデリングしました。ベンチレーターは115系用に設計したものをそのまま流用。

その後は各部の隙間を埋めて部材同士を馴染ませていきます。

一通りの処理が終わったため、塗装作業に入ります。

見た目に反してマスキングが大変でした(^^;

全ての塗装が完了し完成しました。
……が、赤色の選択をミスってしまいどうも暗い色味に見えてしまっています。
塗り直すかかなり悩みましたが、一旦仮完成としたうえで後日赤色だけ塗り直すこととしました。

そこからかなりの期間放置した後、増結車と一緒に赤色を再塗装しました。
塗装を全てやり直すのではなく赤色のみ再塗装とするため、再び面倒なマスキングをする羽目に……


ようやくそれっぽい色になりました。
ついでに準備工事止まりだった電装も実施し、正式に完成となりました。

電装品についても元から設置スペースを確保していたため難なく装備完了しました。
基板は銅基板を加工したものです。前照灯にはチップLEDを使用。

スイッチは先述の通り妻面右側の開口部にはめ込んでいます。

増結車も含めて四国の急行土佐編成が完成しました!
増結車については別記事にて紹介します。
本作は2DCAD/3DCADと3Dプリンター・カッティングマシンを駆使して設計から製作までのプロセスを考慮した作品となりました。
ずっと昔は紙に製図してプラ板を寸法通りに切り出すといった手法で、精度も量産性も難ありでしたのでその頃に比べると圧倒的な進歩です。
コンピュータ様様ですが、過去10年以上の手加工による経験によって裏打ちされた作品になったと自負しています。
仮竣工:2025/8/3
竣工日:2026/3/15